PRESS RELEASE
2021年6月15日
株式会社富士通ゼネラル
21-N02-11
業界初(注1)「小型GaNモジュール」を開発
米国Transphorm社製 高耐圧GaN-FET(注2)チップ搭載
当社グループの電子デバイス事業を担う富士通ゼネラルエレクトロニクス(当社子会社:以下FGEL)は、高度なモジュール化技術により、米国Transphorm社製の高耐圧GaN-FETチップをドライブ回路とともに内蔵した「小型GaNモジュール」を業界に先駆け開発しました。今秋よりサンプル出荷を開始し、パワーモジュールを電源関連や産業機器へと順次製品展開していきます。また、将来的には車載分野での採用も視野に開発の強化および量産体制の構築を進め、電子デバイス事業の新たな柱として成長させていきます。
【GaNデバイスとは】
GaN(窒化ガリウム)はSiC(炭化ケイ素)と並び、現在主流のSi(シリコン)に代わる次世代半導体材料として注目され、実用化が進んでいます。GaNはスイッチング性能に優れ、スイッチング周波数の高速性や電力損失を大幅に低減する高効率性を最大の特長としています。電源回路やモーター駆動回路、その他のパワーコンバーターやインバーターシステムの小型化や高効率化を容易に実現できるほか、SiCよりも低コストなデバイスとしても注目を集めています。
【開発の狙い】
FGELは、2025年頃と予測される次世代デバイス(GaN、SiC)へのシフトによるパワー半導体市場の成長を見据え、GaNデバイス開発のリーディングカンパニーであるTransphorm社とともに、パワーエレクトロニクス製品の大幅な小型化や高効率化が実現可能なGaNモジュールの開発を2018年から進めています。
FGELのGaNモジュールは、ドライブ回路などの周辺回路を内蔵することでお客様の設計負担を軽減し、容易に高効率化を図ることができます。これにより電源関連、産業機器や車載機器など、多くの分野でGaNの特長を活かした製品化の実現に寄与します。
【開発品の主な特長】
1. Transphorm社製のGaN-FETチップをドライブ回路とともに搭載
2. FGELの高度な設計・実装技術により小型モジュール化(注3)を実現
3. 高速駆動、電力損失(導通損失・スイッチング損失)の大幅低減を実現
GaNモジュール(4素子入り)本体
注釈
- 注1:
- ドライブ回路内蔵・高耐圧チップ搭載・フルブリッジ構成モジュールにおいて(2021年6月15日現在、当社調べ)
- 注2:
- GaN-FET:GaN Field Effect Transistor(電界効果トランジスタ)
- 注3:
- 4素子入り:D×W×H=34×63×12mm / 6素子入り:D×W×H=35×46×8mm