2. フィルター自動清掃の方式
「自動でフィルターを清掃する機能」の開発担当として、高島(当時:第一空調機事業部)が抜擢されました。
高島は当時を振り返り「全く世の中にないものを創りだすことに、プレッシャーよりも先に、技術者として魂を揺さぶられてワクワクした」と語ります。
そして同時に、世の中に全くないものを開発するということで、「難しい構造は避けて、できるだけシンプルな構造にする」ことを心に決めていました。
高島は、「通常、エアコンのフィルター清掃はフィルターを取り外した後、掃除機で吸い取る、あるいは洗浄します。当然、エアコン内部に掃除機を入れて吸い取るということも考えました。
しかし掃除機を入れれば、必ず騒音が発生します。
また、モーターやノズルなど、掃除機を稼働させるためには構造が複雑にもなります。
さらに、掃除機を駆動させる電力が必要になるため、少しでも省エネ性を高めるためコンマ1[w]の消費電力を競い合っている現状ではちょっと現実的な方策とは考えませんでした。
掃除機の吸い込みによる騒音も気になります。
そもそも、世界初の機能ですから、複雑な構造を採用して壊れやすいイメージを抱かれるよりも、シンプルな構造の方が受け入れられると考えていました。」と語ります。
そこで、検討された多くの清掃方法から、ブラシでフィルターをこすってホコリを取り除く方式で開発を進めることになりました。