米国ニューヨーク州で実証実験を開始
ヒートポンプ技術の省エネ性を実証し、脱炭素化を目指す取り組み
当社は、ニューヨーク州エネルギー開発研究機構(NYSERDA(注1))が主催する「 Next Generation HVAC Innovation Challenges(注2)」に参画し、州内の公共施設等に当社製VRF(ビル用マルチエアコン)を活用した空調システムを設置して、ヒートポンプ技術の省エネ性を実証する実験を5月1日より順次開始予定です。
【実証実験の目的】
現在の米国は、全館空調方式による冷房とガスファーネスによる暖房の組み合わせが主流です。ニューヨーク州が掲げる2050年カーボンニュートラル実現という目標に向け、空調システムの稼働データと現状を比較することで省エネ性を実証し、カーボンニュートラルに向けた取り組みを加速することが期待されます。
【ヒートポンプ技術とは】
ヒートポンプは、空気中の熱を集めて必要な場所に移動させる技術です。暖房運転の場合、屋外の空気中の熱を集め、屋内に移動させることで部屋を暖めます。ヒートポンプはすでに空気中にある熱を利用し、冷凍サイクルによって、より大きなエネルギーにして冷暖房を行うため、省エネ性が高く、温室効果ガスの排出量を削減します。
【当社の取り組み】
当社は、持続可能な社会実現への貢献を事業の中核に据える「サステナブル経営(注3)」を推進しています。地球温暖化対策に向けてインバーター技術による省エネ性のさらなる向上を追求するとともに、ヒートポンプ技術により"世界の暖房文化を変える"ことを使命として取り組んでいます。本実証実験により、米国におけるヒートポンプ機器への置き換えが促進され、温室効果ガスの排出量削減に貢献することを見込んでいます。
左:実証実験に用いる空調システム(J-Ⅳ室外機 / VS1000RTe換気システム)、右:実証実験を行うSenior Citizen Center(ニューヨーク州エバンス町)
注釈
- 注1:
- New York State Energy Research and Development Authority
- 環境負荷の低減と住民への安定したエネルギー供給を目的とし、ニューヨーク州における省エネ性の向上や再生エネルギーの活用推進などに取り組む機構。1975年設立
- 注2:
- 新空調技術開発支援プログラム
- 注3:
- 富士通ゼネラルは、持続可能な社会の実現への貢献を通じて、事業を拡大させることを改めて成長戦略の中核に据え、「地球との共存」「社会への貢献」「社員との共感」を3つの柱とする「サステナブル経営」を推進しています