PRESS RELEASE
2020年10月19日
株式会社富士通ゼネラル
20-Y07-30
エアコンの気流可視化・データ化に向け共同実証実験を開始
KOA株式会社および九州計測器株式会社と連携
当社は、本年10月より川崎本社ICC(注1) 内Advanced Engineering Lab(以下、AE Lab)において、KOA株式会社(以下、KOA)と、九州計測器株式会社(以下、九州計測器)と共同で、空間におけるエアコンの気流の可視化および3次元の多彩な分析の実現を目的に、実証実験を開始しました。
実証実験では、KOAの気流計測システムと、九州計測器の3次元温湿度可視化システムを連携させることで、1,000カ所以上の気流や温湿度を同時に可視化します。なお当社は、AE Labにおいてエアコンの開発・評価で両システムを活用し、計測システムの製品化に向け2社に対しデータなどを提供します。
【実証実験の内容】
・天井から吊るしたKOAの風速センサー(約1,000個)がエアコンの気流を検知し、風速を色で表示
・KOAの気流計測システムと、九州計測器の3次元温湿度可視化システムを連携し気流や温湿度をデータ化
従来の計測方法では、ハンディタイプの風速計やセンサーが少数の風速計を使用していたため、空間全体を計測するためには計測器をこまめに動かす必要があり、時間と手間がかかっていました。また、商品訴求などの目的で当社のコア技術である気流を可視化する際には、煙の噴出やレーザー照射など手間のかかる手法を用いていました。
今回の実験で用いるシステムでは、空間全体の気流の流れや温度、湿度を多点で同時に測定できるようになり、従来の方法では約170分かかる計測時間を約5分に短縮することが可能です(注2)。また風速センサーのLEDによって、気流の流れや風速の強弱が視覚的にリアルタイムで把握できます。
当社は、本年8月に開発プロセスの革新と新技術の実用化を促進するためAE Labを新設しました。今回の実証実験をもとに、温湿度や気流のデータ化や可視化を進めます。また、計測したデータをシミュレーションに活かすことで、試作・設計、評価の効率化を進めます。さらに、社外との連携を積極的に推進することで、新たな価値の創造に取り組み、持続的社会の実現に貢献していきます。
なお、実証実験の様子はKOAが出展する「CEATEC 2020 ONLINE」にて公開いたします。
【CEATEC 2020 ONLINE】
開催期間:2020年10月20日(火)~23日(金)
(事前登録の上、20日から閲覧可能となります。)
注釈
- 注1:
- イノベーション&コミュニケーションセンター(Innovation & Communication Center)。2019年6月竣工。社内の部門間シナジーと社外とのオープンイノベーションを推進し、革新的なモノづくりを通じて新たな価値を創出する開発施設。
- 注2:
- 1,080点のセンサーで計測の場合。センサーの付いたポールを各測定地点まで移動・設置し、風速を測るまでの時間(気流が安定するまでの時間を含む)。