PRESS RELEASE

(情報通信機器関連)

  • 2017年9月29日
  • 株式会社富士通ゼネラル
  • (NO.17-N03-18)

公共ブロードバンドに対応した移動通信システムを発売

コンパクトで可搬性に優れ、高速・長距離・中継伝送が可能

当社は、災害時などに現場映像を対策本部などに伝送できる公共ブロードバンド対応の移動通信システム(注1)を開発し、受注活動を開始しました。同システムは、無線機のコンパクト化を図るとともに、高速・長距離伝送モードの採用、ビルや山などの遮蔽物で電波の届きにくい地域でも中継伝送が可能な可搬型の移動通信システムです。

なお、本システムは、9月30日開催予定の富山県総合防災訓練に参加する総務省北陸総合通信局に富士通グループとして協力し、訓練で活用される予定です。

新製品は、公共無線システムで培った独自の高効率・高周波アンプによる省電力設計と小型化技術によ り、電波干渉低減フィルター(注2)を無線機本体に内蔵しながらも可搬性に優れたA4サイズ並みのコンパクト化を実現しました。また、高速伝送モード(注3)により、最大10Mbpsの映像・音声などの大量データをリアルタイムに伝送します。さらに、中継機能により、移動局間の伝送ができるばかりでなく、基地局としても移動局としても使用でき、多様で柔軟なシステムの構成が可能となります。

当社は、消防・防災システムで培った技術により、近年多発する地震、台風、集中豪雨などの自然災害などに対して、今後とも安全で安心できる社会づくりに貢献してまいります。

公共BB自営通信網

公共ブロードバンド移動通信システム
CM-1010BM
(左側;2Lペットボトル)

バッテリー電源装置(上)と安定化電源装置(下)


電波干渉低減フィルターを無線機本体に内蔵しながらも、コンパクト化と長距離伝送を実現

電波干渉低減フィルターを無線機本体に内蔵しながらも、コンパクトで(幅230mm × 奥行118.5mm × 高さ300mm)、軽量化(8.5kg)を図りました。

可搬性に優れるだけでなく、無線機本体から最大5Wの出力を送信でき、通信エリアの拡大を実現しました。

電波干渉低減フィルターが、外付けされた場合は、無線機本体から5W出力後、フィルターを通ることで減衰され、5W以下になります。

高速伝送モード(モード2)の実装による高速伝送の実現

公共BBのARIB標準規格「ARIB STD-T103 Ver1.2」で規定している二つの伝送モードの内、公共BBで使用する200MHz帯(テレビのデジタル化に伴い空いた周波数帯)での通信に最適化した高速伝送モード(モード2)を実装し、最大10Mbpsの映像・音声などの大量データをリアルタイムに伝送します。(当社の通常モード比で約1.2倍の高速伝送)

可搬型基地局と移動局の区別がなく、多様で柔軟なシステム構成が可能

本システムは、無線機のソフト設定により、可搬型基地局としても移動局としても使用でき、災害の場所や規模に応じた柔軟な構成と運用が可能です。

一例として無線機4台を、基地局1台と移動局1台の構成で2組を対向で使用したり、基地局1台に移動局3台を接続して使用することも可能です。

可搬型基地局1台と移動局1台の構成

可搬型基地局1台に移動局3台の構成

可搬型基地局の中継機能により移動局間の通信が可能なため、見通しのきかない地域で威力を発揮

可搬型基地局の中継機能により、ビルや山などの大きな遮蔽物を迂回したネットワークを構成し、基地局を経由した移動局同士の通信が可能です。

液晶パネル表示部による設定内容や通信状況などの確認が可能

無線機本体に液晶パネル表示部を設け、パソコンなどの外部端末を接続しなくても、無線機の設定や運用に必要な情報を確認することが可能です。

液晶パネル表示部への表示例

  • 無線機動作設定情報(IPアドレス、周波数など)
  • 通信状況(無線感度、通信品質、リンク状態など)
  • 無線機運用保守情報(バッテリー残量、エラー情報など)

液晶パネル表示部

主な仕様

機種名 CM-1010BM
規格 ARIB STD-T103 ver1.2 準拠
周波数範囲 200MHz帯、チャネル間隔:5MHz(指定周波数を実装)
寸法 幅230mm × 奥行118.5mm × 高さ300mm
(フィルタ部を含み、アンテナ・突起物を除く)
質量 8.5kg(フィルタ部を含み、アンテナ・突起物を除く)
空中線電力 5W、2W、1W
外部インターフェース LAN:100BASE-TX(RJ-45)×2、無線LANアクセスポイント:IEEE 802.11b/g/n 準拠
防水 JIS C 0920:2003 IPX4 準拠
電源 DC12V/DC24V対応(シガー電源ケーブル標準添付)
バッテリー電源装置(オプション) ※ バッテリー2個付き
安定化電源装置(オプション) ※ 入力100V

注釈

注1:
公共ブロードバンド移動通信システム(以下公共BB):公共機関が災害などの現場において、地上テレビジョン放送のデジタル化により空き周波数帯となったVHF帯の一部(200MHz)を非常時の自営通信網として使用し、機動的かつ確実で高精細な映像や大量のデータを伝送するための移動通信システム
注2:
電波干渉低減フィルター:隣接周波数の電波を妨害しないよう、特定周波数の電波のみを通す装置
注3:
一般社団法人「電波産業会」で承認された、通信・放送分野の電波利用システムにおける標準規格(ARIB:Association of Radio Industries and Businesses)で規定しているモード(モード2)

発表資料中の「価格」・「仕様」など記載内容は、発表日現在のものです。

予告なしに変更されることがありますので、ご了承ください。