PRESS RELEASE
2013年4月10日
株式会社富士通ゼネラル
(NO.13-Y02-02)
陸前高田市様のデジタル式防災行政無線システムが本格稼働―デジタル防災行政無線システム導入で「災害に強い安全なまち」づくりに貢献― |
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当社は、岩手県・陸前高田市様へ同市としては初めてとなるデジタル式の防災行政無線システムを昨年末に納入しました。同システムは陸前高田市様の「防災行政無線復旧事業」の一環として導入されたもので、2011年より順次導入が進み、このたび本格的に稼働いたしました。事業費総額は約7.3億円で、同システムの導入により、同市では『復興のまちづくり』の基本構想のひとつ「災害に強い安全なまち」づくりを進めます。
防災行政無線システムは、地震等の大災害時に地域住民の生命を守るため、市町村が地域住民に対して災害警報を直接伝達する手段で、迅速にかつ一斉に通報し避難を促します。また、平常時には火災予防、交通情報、気象情報、盗難・防犯の警戒情報など各種行政情報を提供します。
陸前高田市様では、震災前より『市民全員に対していち早く確実に一斉に情報提供できる唯一の手段』として防災行政無線システムを運用しており、災害時における早急な復旧に加え、さらなる住民サービスの向上を目指して、同市としては初めてデジタル式の防災行政無線システムを導入しました。
同システムの導入により、
- 市役所と各避難所間での専用回線を利用した双方向通信による孤立集落の発生抑止。
- ソーラーシステムによる停電時での活用。
- 山間部の既設屋外子局との統合制御による市内全域のネットワーク化。
- 静止画像等のデータ通信による屋外子局からの監視カメラでの河川監視。
など、より確実に地域住民の方々の安全を確保するための情報提供が可能になりました。
また、可聴範囲の広いモーターサイレン(注1)仕様の屋外子局を沿岸地区に設置し、より確実に市民に対して警報を通報し避難を促します。
今般の災害復旧事業では、被災地域を中心とした沿岸地区の整備を実施いたしました。
今後は、本格的な復興に向けて、新市街等が形成されていきます。当社は、陸前高田市様の掲げる「災害に強い安全なまち」づくりに、防災行政無線を通じて貢献してまいります。
陸前高田市デジタル防災無線システムのネットワーク図
【設備構成】
- 親局:
- システムの中心。市役所内設置
- 中継所:
- 市内全域をネットワーク化
- デジタル式屋外子局(50か所):
- 親局からの情報を通報
- 戸別受信機(700台):
- 親局からの情報を通報
- 陸上移動局(31台):
- 車載無線機、携帯無線機
ご参考
1. 陸前高田市様の防災行政無線事業
- 1984年度事業
- アナログ式防災行政無線システム(固定系・移動系)導入
- 2011年3月11日
- 東日本大震災発生 市役所庁舎並びに屋外子局多数被災。
- 2011年4月8日
- アナログ式仮設親局設備設置。仮運用開始*
- 2011年10月12日
- デジタル式防災行政無線システムの復旧工事開始(親局の復旧)
- 2011年12月28日
- 沿岸部の被災地域に対して屋外子局の復旧
- 2012年3月31日
- 親局の設置が完了し仮設親局と切換え(中継局、屋外子局、戸別受信機、陸上移動局の復旧)
- 2012年12月28日
- デジタル式屋外子局の運用開始
- 2013年1月
- デジタル式防災行政無線システム本格稼働
* 仮設親局設備(貸与品)の設置により市内への放送が可能になりました。
事業費総額: 約7.3億円(税込金額)
2. 納入機器内訳
設備名 | 数量 | 主な機能 | 設置場所 |
---|---|---|---|
親局 | 1式 | システムの中心部:情報の受発信拠点 | 陸前高田市役所 |
中継局 | 1式 | 市内一円に放送 | 仁田山中継所 |
屋外子局 | 50式 | 親局からの放送内容を拡声器で通報 各避難所等と双方向通信(アンサーバック付子局(注2)のみ) |
市内各所 |
戸別受信機 | 700台 | 親局設備からの情報を受信機で通報 | 市内各所 |
陸上移動局 | 31台 | 車載無線機、携帯無線機等 | 市内の支所等の各拠点 |
注釈
- 注1 モーターサイレン :
- モーターサイレンの可聴範囲は半径約1,500m、屋外子局の一般的なスピーカーでは可聴範囲半径約300m。
- 注2 アンサーバック付子局 :
- アンサーバック付屋外子局とは、親局設備~子局設備間にて互いに送受信を行うことができる装置を装備した屋外子局で、防災無線波を使用して内線電話のように通話することが可能。
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