CSR 公正な事業慣行

公正な事業慣行に対する考え方

富士通ゼネラルグループは、国内外にわたるサプライチェーン全体を、当社グループが社会的責任を果たすべき範囲と捉えています。部材を納入していただいているお取引先へ、当社グループのサステナブル調達ガイドラインへの同意と順守をお願いするとともに、現地のお取引先の工場に出向いて順守状況の確認を行っています。お取引先と共に社会・環境への影響を最小限にし、社会からの期待に応えていくことで、企業理念である「- 共に未来を生きる -」を実現します。

公正な事業慣行に対する考え方イメージ

主な活動実績

サステナブル調達ガイドライン

富士通ゼネラルグループのサステナブル調達ガイドラインは、RBA行動規範および一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)の責任ある企業行動ガイドラインに基づいており、ILO労働基本原則・権利宣言、世界人権宣言、国連ビジネスと人権に関する指導原則、持続可能な開発目標(SDGs)、国連グローバル・コンパクト「4分野における国連グローバル・コンパクト10 原則」に示された原則を適用しています。

当社グループは、本ガイドラインに基づきお取引先に実践・遵守いただきたい行動・活動を周知するとともに、本ガイドラインへの同意をお願いしています。

また、RBA行動規範(ver8.0)が発効されたことに伴い、2024年3月に当社グループの調達ガイドラインを改定しました。今後も世の中の動向を踏まえて見直しを検討していきます。

調達ガイドラインの同意状況

活動分類 2021年度 2022年度 2023年度
調達ガイドライン同意企業数 1,097社 1,124社 1,235社
調達ガイドライン同意率 約96% 約95% 約96%

サプライヤーのサステナビリティ・デューデリジェンス

富士通ゼネラルグループの一次サプライヤーは日本・タイ・中国の3か国が大半を占めています。従って、サプライチェーンマネジメントの観点からこれら3か国を中心にサステナブル調達ガイドラインの理解を深めていただくとともに、CSR取組み状況を確認するため人権、環境、労働安全衛生、ガバナンスを中心としたサステナビリティ・デューデリジェンスを順次実施しています。

サステナビリティ・デューデリジェンス(イメージ)

1.重要サプライヤーの決定

当社年間購買金額80%を占める調達先を基本とした重要サプライヤーを決定し、対象となったサプライヤーに対しサステナビリティ・デューデリジェンスを実施しています。また、リスク分析による評価から海外に所在する拠点を優先的に取り組む必要があると認識し、段階的にサステナビリティ・デューデリジェンスを実施しています。

項目 2023年度
調達サプライヤー(一次調達先) 1,169社
重要サプライヤー 173社

2.セルフアセスメントの実施

独自フォーマットのセルフアセスメント質問表への回答を依頼し、人権、環境、労働安全衛生、ガバナンス等のサステナビリティに関わる以下の項目について調査しています。

10項目(詳細42項目)について、確認しています。

<チェック項目>

  • マネジメントシステム
  • 公正な企業活動
  • 人権
  • 品質、安全性
  • 労働
  • 情報セキュリティ
  • 労働安全衛生
  • サプライチェーン
  • 環境
  • 地域社会との共生

チェック結果(イメージ図)

3.現地監査

重要サプライヤーに決定されたすべてのお取引先に対し、現地監査を実施しています。現地監査ではセルフアセスメント質問表の内容に基づいてお取引先の人権、安全衛生、環境対策を中心にCSRへの取組み状況を調査しています。書面確認に加え、現場確認、従業員へのインタビュー等も必要に応じて実施しています。

4.是正・改善

調査の結果重大な課題が発生した場合は、お取引先に対し期限内の改善を求めています。その他軽微な課題については、次回の調査にて改善状況を確認します。

5.情報開示

サステナビリティ・デューデリジェンスの結果については、サステナビリティデータブック内にて適時適切に開示を行います。

活動実績の概要

2023年度は富士通ゼネラルグループの製造拠点でタイ国に所在するFujitsu General(Thailand)Co., Ltd.、FGA(Thailand)Co., Ltd.、 TCFG Compressor(Thailand)Co., Ltd.の重要サプライヤーに対し、新たにサステナビリティ・デューデリジェンスを実施致しました。対象となるサプライヤーは97社となり、対象全サプライヤーに対し、セルフアセスメント質問表への回答を依頼し、そのうち4社に関しては現地調査を実施しました。2024年度も順次対象サプライヤーの現地調査を実施していきます。

また、中国の製造拠点である富士通将軍(上海)有限公司、富士通将軍中央空調(無錫)有限公司については昨年に引き続き対象となる全サプライヤーに対し、現地調査を含めたサステナビリティ・デューデリジェンスを実施しました。

さらに、今後は国内関係会社のサプライヤーに対するサステナビリティ・デューデリジェンスについても順次実施していきます。

セルフアセスメント質問表の実施結果

富士通ゼネラルグループではサステナビリティ・デューデリジェンス調査の第一歩として重要サプライヤーへのセルフアセスメント質問表への回答を依頼しています。

2023年度の実績は以下の通りです。

項目 配付社数(配付率※) 回答者数 回答率
富士通将軍(上海)有限公司 49社(100%) 49社 100%
富士通将軍中央空調(無錫)有限公司 27社(100%) 27社 100%
Fujitsu General(Thailand)Co., Ltd. 47社(100%) 47社 100%
FGA(Thailand)Co., Ltd. 11社(100%) 11社 100%
TCFG Compressor(Thailand)Co., Ltd. 39社(100%) 39社 100%
配付率は対象となる重要サプライヤー数を母数として計算。

現地監査の実施結果

セルフアセスメント質問表への回答結果を元に現地調査を実施しています。

2023年度の実績は以下の通りです。

項目 実施社数 対象比率
富士通将軍(上海)有限公司 49社 100%
富士通将軍中央空調(無錫)有限公司 27社 100%
Fujitsu General(Thailand)Co., Ltd. 2社※ 4%
FGA(Thailand)Co., Ltd. 1社※ 9%
TCFG Compressor(Thailand)Co., Ltd. 1社※ 3%
タイに所在する3社については、2023年度末より新規で監査実施。

特定された課題に対する改善指示と支援(フィードバック)

現地調査を実施したすべてのお取引先に対し、当社の調査員によるスコア表と特定した課題についてフィードバックを実施しています。

特定された課題に対しては、お取引先に対し改善報告書の提出を求めており、特に対応の優先度が高い課題については3ヶ月以内の改善を依頼しております。ただちに改善出来ない場合でも改善計画の立案を依頼し、改善状況の確認を行っています。

また、現地監査の際にサステナビリティに関する情報提供や、課題に対する具体的な対策の提案をする等、状況に応じて改善の協力・支援を行っています。

1.サステナビリティ・デューデリジェンス監査時の指摘事項における主な改善要請の事例

労働時間

事例 長時間労働
改善状況 改善依頼中

賃金の支払い

事例 残業代の支払い不足
改善状況 改善依頼中

労働安全衛生

事例 安全出口の塞がり
改善状況 改善確認済
事例 保護具の未着用
改善状況 改善確認済

化学物質管理

事例 可燃性化学品倉庫に消化設備が未設置
改善状況 改善依頼中
事例 危険化学品倉庫にSDS、緊急連絡先が未掲示
改善状況 改善依頼中

雇用契約

事例 雇用契約に一方的な人事異動に関する内容の記載
改善状況 改善依頼中

2.改善を実施したお取引先の割合

項目 改善依頼社数 改善実施率
富士通将軍(上海)有限公司 29社 100%
富士通将軍中央空調(無錫)有限公司 27社 19%
Fujitsu General(Thailand)Co., Ltd. 2社※ 0%
FGA(Thailand)Co., Ltd. 1社※ 0%
TCFG Compressor(Thailand)Co., Ltd. 1社※ 0%
タイに所在する3社については、2023年度末より新規で監査実施。

サステナブル調達推進のための社内での取組み

1.社内関係部門への教育

2023年度より新たにサステナビリティ・デューデリジェンスの活動を推進しているタイにおいて、生産子会社の部材調達・総務・人事部門を対象に、サステナブル調達の重要性やサプライチェーン全体で取り組む意義をはじめとするサステナビリティ・デューデリジェンスの内容についての教育を実施しました。

2.新規お取引先選定時への取組み

富士通ゼネラルグループの富士通将軍(上海)有限公司 では、新規取引先選定時にもサステナビリティ・デューデリジェンスを実施し、持続可能なサプライチェーンの構築を目指しています。

責任ある鉱物調達

責任ある鉱物調達基本方針

富士通ゼネラルグループは、紛争地域※1およびCAHRAs※2において強制労働や人権侵害、紛争の助長、環境破壊に繋がるリスクの高い鉱物である錫、タンタル、タングステン、金、コバルト、天然マイカの調達について、お取引先と連携しながらサプライチェーンの透明性の確保と責任ある鉱物調達活動を推進します。

取組み内容

1.強固な企業管理システムの構築

社内体制として、代表取締役社長を委員長としたサステナビリティ推進委員会を主管とする社内関連部門による体制を構築しています。

サステナビリティ推進委員会では、責任ある鉱物調達に対する活動内容やその進捗・課題について経営層と情報を共有し、意思決定を行っています。

2.サプライチェーンにおけるリスクの特定と評価

対象部材を取り扱うお取引先に対して、錫・タンタル・タングステン・金(3TG)の使用状況、製錬所情報を確認する調査を、RMI※3が発行するテンプレート(CMRT(紛争鉱物レポーティング・テンプレート)など)を使用して実施しています。また、マイカ・コバルトについても同じように調査を行っています。

収集した情報について担当組織にてRMIが認証している精錬所リストを用いてリスクの特定と評価を行っています。

実績

3TG・マイカ・コバルト2023年度調査結果

2023年度、富士通ゼネラルが購入している部材を対象に調査を実施しました。

項目 3TG マイカ・コバルト
調査対象のお取引先 338社 338社
調査回答入手のお取引先 326社 326社
調査回答入手のお取引先の入手率 96.4% 96.4%

回収した調査票に基づき、リスク分析と評価を実施しリスクに応じてお取引先へ更なる調査をお願いしています。

※1
紛争地域:武力による紛争が発生している地域
※2
CAHRAs:武力紛争による暴力や人権侵害のリスクが高い地域
※3
RMI(責任ある鉱物調達イニシアチブ):企業が紛争鉱物やリスクのある地域からの鉱物調達を行う際のガイドラインやツールを提供する団体。

お取引先様向け通報窓口の設置

富士通ゼネラルグループは、当社の役員・従業員が調達活動に関してコンプライアンス違反行為を行った場合などに、調達先のご担当者様よりご通報いただくためのヘルプライン「お取引先様向け通報窓口」を設置、運営しています。

「お取引先様向け通報窓口」の詳細を見る

関連情報(リンク)

人権

  • 人権啓発への取り組み

資材調達

  • サステナブル調達(人権の尊重、安全衛生の確保、環境への配慮、法令の遵守、健全な取引関係の維持、情報セキュリティ・知的財産の尊重)
  • グリーン調達(グリーン調達のご案内、富士通グループの調達基準、富士通ゼネラルグループ個別の基準)
  • 責任ある鉱物調達