PRESS RELEASE

平成19年7月18日
株式会社富士通ゼネラル
(NO.07-Y08-12)

株式会社富士通ゼネラルイーエムシー研究所

欧州車載用電子電気機器・部品の電磁波規制に対する認可取得サポートビジネスを開始

株式会社富士通ゼネラルイーエムシー研究所(株式会社富士通ゼネラル100%子会社、以下富士通ゼネラルEMC研究所)は、欧州の自動車関連電磁波規制(「2004 / 104 / EC」、以下「eマーク」規制)の適合試験、および認可取得のサポートビジネスを7月18日より開始します。これにより、日本国内の車載用電子電気機器・部品メーカーの「eマーク」取得需要を取り込み、新規顧客の開拓に努めてまいります。

EU加盟国では、2006年7月1日から自動車に搭載される電子電気機器・部品すべてに電磁波規制が求める規格適合と、適合機器に加盟国指定機関が発行する適合証明「eマーク」の貼付が義務化されております。この規格適合試験は、加盟国指定機関公認の審査機関から認証を与えられた試験機関のみが実施できます。

富士通ゼネラルEMC研究所は、「eマーク」取得サポートビジネスに参入するため、ドイツ指定機関公認の審査機関であり、電磁波試験機関としても有名な「ミケス・テスティングパートナーズ社(mikes - testingpartners gmbh、以下ミケス社)」の審査を受け、本年7月17日に日本で初めて同社からパートナー試験機関の認証を得ました。これにより、富士通ゼネラルEMC研究所で規格適合試験に合格すれば、ミケス社経由で「eマーク」の取得が可能となります。

さらに、富士通ゼネラルEMC研究所は、単なる規格適合試験の実施だけでなく、独自の電磁波対策技術と、今回パートナーとなったミケス社の規制関連の知識や経験を提供することで、規制適合を目指す車載用電子電気機器・部品メーカーに、技術アドバイスや最新の規制情報の提供も行なってまいります。

「eマーク」取得のフロー。1.電子電気機器メーカー・試験機器、部品の持ち込み・必要な機器、部品の情報。2.審査機関認証のある電磁波試験機関「富士通ゼネラル」・規格適合試験の実施・テストレポートの発行。3.EU加盟国公認の審査機関「ミケス社」・報告書の審査・Agreement(同意書)発行。4.EU加盟国の指定機関「KBA-ドイツ」・Agreement(同意書)に基づいて 「eマーク」を発行。


「eマーク」規制・試験内容等

  1. 「eマーク」規制の変遷と試験の要求項目
  2. 富士通ゼネラルEMC研究所のサポート内容

「eマーク」規制の変遷と試験の要求項目

「eマーク」規制は、1996年から始まり、2006年に試験内容、適用範囲が強化されました。

1 )「eマーク」規制の変遷

「eマーク」例。上段の太枠内の「e」隣接数字は、認可した指定機関が立地する加盟国番号(1=ドイツ)下段は認可ナンバーを表しています。

  • 「95 / 54 / EC」 1996年1月1日施行
    【試験項目】
    ・ 妨害波測定( ブロードバンド / ナローバンドノイズ、30MHz ~ 1GHz )
    ・ 放射イミュニティ試験( 20MHz ~ 1GHz )
    【適用対象】
    完成車両において「eマーク」貼付義務
  • 「2004 / 104 / EC」 2006年1月1日施行
    【変更・追加された試験項目】
    ・ 放射イミュニティ試験( 20MHz ~ 2GHz )
    ・ 過度妨害波測定、過度サージ・電圧変動試験を追加
    【適用対象】
    2006年7月1日以降、新車両申請分、自動車用電子電気機器・部品
    2009年1月1日以降、旧認可取得済み全車両、旧認可車両搭載の自動車用電子電気機器・部品

2 )試験の要求項目

・ 妨害波測定( ブロードバンド / ナローバンドノイズ、30MHz ~ 1GHz )
: 対象機器が発生する電磁波ノイズの規制
・ 放射イミュニティ試験( 20MHz ~ 2GHz )
: 強電界中でも、対象機器が誤動作しないことを要求
・ 過度妨害波測定
: 対象機器の電源オン・オフにより他の車載機器に影響を与えないことを要求
・ 過度サージ・電圧変動試験
: 対象機器の電源に過度的なパルスの入力、または、電源の電圧の大幅変動に際しても正常に動作することを要求

富士通ゼネラルEMC研究所のサポート内容

富士通ゼネラルEMC研究所では、2006年より車載用電子電気機器・部品の電磁波測定試験を始め、試験技術の研鑽、ソフトウェア開発、設備の増強を進め、本年7月17日に日本で初めてミケス社のパートナー試験機関認証を得ました。規格適合試験以外に、以下のサポートを実施いたします。

  • 規格適合のための技術対策支援
  • ノイズ対策支援
  • 迅速な試験の実施( 1 ~ 2日 )
  • 24時間、365日の試験対応
  • 海外管轄官庁への窓口業務

以上

ご参考

1 )富士通ゼネラルイーエムシー研究所について

富士通ゼネラルEMC研究所は、家電製品、IT機器、各種通信機器、医療機器などを主な対象品目とした電磁波試験機関です。首都圏では数少ない24時間対応の充実した試験設備と優秀な専任技術者による、EMI、イミュニティなどの電磁波試験や技術コンサルティングで、高い信頼と実績を得ております。

社名 :
株式会社富士通ゼネラルイーエムシー研究所
代表取締役社長 :
島ノ江 博之
所在地 :
神奈川県川崎市高津区末長1116
設立 :
1997年8月1日
資本金 :
100百万円( 株式会社富士通ゼネラル100%出資 )
従 業 員 :
11名( 6月末現在 )

2 )ミケス・テスティングパートナーズ社について

ミケス社は、経験豊富な技術者を有する欧州最大の独立系商用電磁波試験機関です。約10年前から自動車に関する電磁波試験などを行なっており、経験の豊富な技術者を有して、電磁波に関する調査を積極的に行なってきたことから、認可を行なうドイツ指定機関 KBA( Kraftffahrtbundesamt : ドイツ政府自動車局 )から公式の審査機関として認証され、2005年から審査機関としての事業を開始しております。

社名 :
mikes - testingpartners gmbh( ミケス・テスティングパートナーズ社 )
代表取締役社長 :
Günter Mikes( ギュンター・ミケス )
所在地 :
Ohmstr. 2 - 4 | 94342 Strasskirchen | Germany
設立 :
2005年7月1日

ミケス社ロゴマーク。富士通ゼネラルEMC研究所が発行するテストレポートやカタログに使用します。


3 )欧州の自動車市場について

欧州の自動車市場は、2005年の年間生産台数が約2,080万台と、米州の1,932万台を抜き、アジア・オセアニア地域の2,582千万台に次ぐ大市場です。また、同年の新車登録台数も2,090万台となっており、米州の2,311万台に次いで地域別で第2位となっております。

このような大きな市場である上に、現在、自動車メーカーの全世界調達が進む中、自動車用電子電気機器・部品の欧州への出荷に対しては、「eマーク」規制の認可取得は必須となっております。

( 出典 : 「世界自動車統計年報2007」社団法人日本自動車工業会 )

 

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