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PRESS RELEASE

平成16年5月26日
株式会社富士通ゼネラル
(NO.04-N01-07)

進化したプラズマディスプレイの高画質技術

新世代PDP専用フルデジタル・ビデオプロセッサー 「 AVM*-II 」を開発

* AVM : Advanced Video Movement

この度当社は、好評を得ている「AVM( Advanced Video Movement : 以下「 AVM 」という )」の高画質技術をさらに進化させ、全世界的なデジタル放送への切換えや、HDレコーダーなどのデジタルストレージの普及に対応する新世代のPDP専用フルデジタル・ビデオプロセッサー「 AVM-II( Advanced Video Movement II : 以下「 AVM-II」 という)」を開発いたしました。

プラズマディスプレイは、パネルの放電を制御する 「 パネル駆動制御技術 」 と映像信号を最適化する「 映像信号処理技術 」 の2つの技術によって、高画質表示を実現しています。

当社は1993年に世界初のフルカラープラズマディスプレイを発売して以来、PDPの発光原理や駆動方式に合わせ、その性能を極限まで引き出すデジタル映像信号処理技術の研究開発を行ってまいりました。2001年には、業界初の1チップデジタルLSI化した 「 AVM 」 を開発、2002年にはプラズマディスプレイとしては唯一エミー賞を受賞するなど、その高画質が全世界から認められ、高い評価を得ております。

今回開発した 「 AVM-II 」 では、今日まで蓄積した当社ノウハウを活かした映像処理回路の高精度化、高性能化を更に進めるとともに、全世界的なデジタル放送への切換えやHDレコーダーなどのデジタルストレージの普及に合わせ、

  • デジタル映像を編集・配信する際に発生するデジタルノイズを抑制する 「 デジタルノイズリダクション 」、
  • ヒトの眼の特性にあわせ、暗い映像での階調表現力を、設計上最大 千京(せんけい) ( 1019 ) 色まで多段階に高めた「低輝度多階調化処理」、
  • ヒトの眼を通した色再現の忠実さを徹底的に追求し、画素ごとに色味を認識し補正する 「 ナチュラルカラーチューニング 」、
  • 画面内各部の映像内容を自動的に認識し、文字はクッキリと、人物や風景は滑らかに表現する 「 IAP ( Image Adaptive Processing ) 」などの新技術を開発、搭載しました。

これらの新技術を含め、当社独自の高画質回路群を 「 高精細デジタルマルチコンバージョン ( HDDMC ) 」 技術により融合することで、さまざまな種類の入力信号や表示映像に合わせて各処理を連携させ、従来の概念を超越する高画質表現を可能にしました。

今秋より、「 プラズマビジョン ® 」の新機種に順次搭載していく予定です。

(「 プラズマビジョン 」 は、株式会社富士通ゼネラルの登録商標です。)

AVM-II画像及びロゴデザイン

写真 左:AVM-II、 右:デザイン

「 AVM-II 」 の主な特長

  1. デジタルノイズの発生を抑制する「 デジタルノイズリダクション 」
  2. 最大1千京(せんけい)( 1019 ) 色まで階調表現力を高めた「低輝度多階調化処理」
  3. 画素ごとに色味を認識し補正する「 ナチュラルカラーチューニング 」
  4. 文字や風景などを識別しそれぞれ最適化する「IAP ( Image Adaptive Processing )」

1. デジタルノイズの発生を抑制する「デジタルノイズリダクション」

世界各国のデジタルTV放送開始や、HDレコーダーなど映像記録媒体のデジタル化により、映像のデジタル化が急速に進んでいます。 デジタル化による映像の高精細化や、伝送・蓄積時の劣化解消により、高画質映像が楽しめるようになってきました。 このようなデジタル映像信号は、データ量が多く放送や録画にあたってはデータの圧縮が行われます。 この際特有のノイズ ( 圧縮歪み ) が発生し、高い表示能力をもつ大型ディスプレイではこのノイズが目立つ場合がありました。

「AVM-II」では、デジタル映像独特のノイズを高精度で検出し、除去することで、高い表示能力をもつ 大型ディスプレイを活かす滑らかな映像を実現します。 ( 特許出願中 )

ディジタル ノイズ リダクション イメージ

2. 最大1千京(せんけい)( 1019 ) 色まで階調表現力を高めた 「 低輝度多階調化処理 」

PDPは、デジタルディスプレイであるが故に暗い映像も明るい映像も均一に表現されます。一方、ヒトの眼は、明るい部分よりも暗い部分の検知能力が高く、暗い映像において整合がとれないため、デジタルディスプレイの弱点とされていました。

「AVM-II」では、ヒトの眼の特性に合わせた浮動小数点演算と多階調化処理を組合せ、眼の検知能力が高くなる暗い部分ほど表現色を増やし、設計上は最暗部で最大1千京(せんけい) ( 1019 ) 相当の多階調表現を行うことで、暗いシーンでも滑らかな映像表現を可能にしました。 ( 特許出願中 )

低輝度多階調化処理 イメージ

3. 画素ごとに色味を認識し補正する 「 ナチュラルカラーチューニング 」

映像表現においては、撮影された本来の色を忠実に再現する 「 自然色 」 、人のさまざまな経験にもとづく 「 記憶色 」 があり、両方のバランスを取る事で初めて自然な色再現が可能になります。これには、空、芝生、肌の色など単独の色味に焦点を当てて、 「 自然色 」 と 「 記憶色 」 のバランスを取る必要があります。

これらを実現するために、画素ごとに色味を認識し補正する 『 ナチュラルカラーチューニング 』 システムを開発、 搭載しました。

本システムでは、「 AVM-II 」の浮動小数点演算機能を用いた高い表現力によって、PDPのもつ広い色再現性を最大限活かし、ブラウン管時代の 「 記憶色 」 だけを誇張した 「 テレビ色 」 に頼らない、自然で忠実な映像を実現します。 ( 特許出願中 )

ナチュラルカラーチューニング イメージ

4. 文字や風景などを識別しそれぞれ最適化する 「 IAP ( Image Adaptive Processing ) 」

放送のデジタル化やPCの映像再生機能充実などによって、テレビとPCの融合が急速に進んでおります。家庭用マスタースクリーンとなるプラズマディスプレイには、文字や図形表示などのデータ情報と静止画・動画などの映像情報を同時に表示することが求められています。一方、ヒトの眼には、データ情報と映像情報では、見え方が全く異なるため、最適に表示するための映像信号処理は異なります。従来は、データ情報用と映像情報用にそれぞれ別の信号処理を行っていました。「 AVM-II 」では、IAP ( Image Adaptive Processing ) により、入力ソースにとらわれず、画素ごとにデータ情報、映像情報を認識し最適化処理を行うことで、データ情報と映像情報の混在した画面においても、データ情報はクッキリと映像情報は忠実に表現できます。 ( 特許出願中 )

Image Adaptive Processing イメージ

以上

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発表資料中の「価格」・「仕様」など記載内容は、発表日現在のものです。
予告なしに変更されることがありますので、ご了承下さい。

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