PRESS RELEASE
平成14年6月19日
株式会社富士通ゼネラル
(NO.02-R01-09)
ノンフロン冷蔵庫の商品化技術を確立 |
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当社は、環境保全活動を企業経営の重要な課題と捉え、地球環境保全への貢献と企業活動の調和を目指し、環境に配慮した事業活動を行なっております。
その一環として、このたび、冷蔵庫の冷却用に自然冷媒のイソブタン(R-600a)を採用した冷却システムを開発しました。すでに断熱材には、シクロペンタンを採用していることとあわせ、オゾン層破壊や地球温暖化の原因になるフロンを一切使用しない「ノンフロン冷蔵庫」の商品化技術を確立しました。
同時に環境負荷物質である「鉛」、「塩化ビニール」の使用量を大幅に削減する技術もあわせて開発いたしました。
なお、本年10月より、400Lクラス「ノンフロン冷蔵庫」の商品発売を予定しております。
開発の背景
近年、地球温暖化が国際的な課題となり、環境に負荷を及ぼす物質に関して、さまざまな規制が行われるとともに、環境に配慮した製品への関心が高まりつつあります。
なかでも、冷蔵や冷凍用途において、冷却効率や安定性で理想的な特性があり、生活面、産業面で多くの製品に使われてきた特定フロンガス(CFC)は、オゾン層を破壊する性質のあることが明らかになり、1988年の「オゾン層保護法」に基づき、1995年末をもって製造が禁止されました。
さらに1997年地球温暖化防止締約国会議でHFCフロンを含む6種のガスが排出抑制温暖化ガスに指定され(COP3京都議定書)、オゾン層破壊性、地球温暖化原因にならない新しい冷媒の技術革新が求められるようになってきました。
このような社会情勢に対応して、ヨーロッパでは、炭化水素のイソブタンを用いた自然対流式(直冷式)のノンフロン冷蔵庫が広く発売されています。一方、日本では、間冷式(冷気強制循環方式)冷蔵庫が主流であり、ヨーロッパに比べ霜取りヒーターなどの電気回路が多いため、可燃性ガスのイソブタン使用の安全性確立には、新たな技術が必要でした。
このような中、当社では、1994年に、冷凍冷蔵庫における冷媒を特定フロンガス(CFC)からオゾン層破壊性の全くないHFC(代替フロン)に全機種切り替えを行い、さらに今回、自然冷媒のイソブタン(R-600a)を採用した新冷却システムを開発、霜取りヒーターには、(社)日本電機工業会に準拠した方式を採用し、安全性を確保しました。
新技術の内容
- 冷媒の制御に合わせて、冷却器、凝縮器、キャピラリなどの冷却システムの最適化をはかり、少冷媒設計とし、可燃性であるイソブタンの充填量を電気安全法で定められた『100g以下』を大幅に下回る『50g以下』に抑えました。
- 機器に組み込まれた電気部品すべてに防爆構造の部品を採用し、イソブタン冷媒に対する安全性を確保しました。
- 除霜に用いられるラジアントヒーターは、安定した除霜性能が得られるため、現在、日本の冷蔵庫のほとんどに採用されております。しかし、ノンフロン冷蔵庫に可燃性冷媒を用い、万一冷媒洩れした場合、ラジアントヒーターの表面温度が高く、引火する恐れがあります。そこで、当社では(社)日本電機工業会に準拠した方式を採用しました。これにより、ラジアントヒーターの表面温度を、イソブタン発火温度(494°C)を大幅に下回る380°Cにすることができ、確実な防火安全対策を施しました。
その他の環境配慮設計
1: 塩化ビニール(塩ビ)使用量の削減
冷蔵庫ドアパッキンにスチレン系エラストマを採用することにより、焼却時にダイオキシンを発生させる塩ビ使用量を大幅に削減しました。さらに、電線被覆の塩ビフリー化にも取り組んでいます。
2: 鉛フリー化の推進
電子制御基盤の鉛フリーはんだ採用のほか、サクションパイプとキャピラリの接合部分にも錫銀銅系の鉛フリーはんだを用いる製造技術を確立しました。
今後の事業展開
1: 安全性の確認
安全設計を実使用で十分確認するため上記の安全対策と環境対策を施した試作品のフィールドテストを実施しております。
2: 発売時期
本年10月より予定
お問い合わせ先
発表資料中の「価格」・「仕様」など記載内容は、発表日現在のものです。
予告なしに変更されることがありますので、ご了承ください。