基本的な考え方

富士通ゼネラルグループは、意思決定の迅速化など経営の効率性を高めると同時に、意思決定プロセスにおける透明性の確保、事業執行における内部統制機能の充実を図ることをコーポレートガバナンスの基本と考えています。

コーポレートガバナンス体制

富士通ゼネラルグループは、監査役設置会社かつ経営執行役(執行役員)制度の採用により、経営の監督機能の充実と効率的・機動的な業務執行を図るとともに、監査役が経営陣とは独立した立場で監査・監督を行っており、この体制が当社のコーポレートガバナンス上有効と考えています。

2023年6月末現在における役員構成は、取締役11名(うち5名が社外取締役)、監査役3名(うち2名が社外監査役)となっています。

経営に関する重要事項については、原則、上席常務以上の経営執行役で構成される経営会議(原則として毎月2回開催)において協議するとともに、毎月1回定期的または必要に応じて臨時に開催される取締役会において審議・決定しています。業務執行については、全経営執行役で構成される執行会議(原則として毎月3回開催)において業務執行上の具体的重要事項を審議・決定し、特に重要な事項については取締役会に付議しています。なお、2022年度は取締役会を15回開催し、役員の出席率は99%となっています。

監査役会は、監査役3名(うち社外監査役2名)で構成されており、監査役の職務を補助する組織として、監査役室(1名)を設置しています。監査役会は、取締役会と同日に月次で開催される他、必要に応じて臨時開催されます。監査役は、取締役会に出席し、議事運営、決議内容等を監査し、必要に応じて意見表明を行っています。取締役会への監査役の出席率は常勤監査役2名100%、監査役93%でした。その他、常勤監査役が、執行会議、コンプライアンス/リスク・マネジメント委員会等の社内の重要な会議または委員会に出席しています。また、常勤監査役は、社長との面談を四半期毎に開催し、監査報告や監査活動に基づく提言を行っています。その他、取締役・経営執行役および各部門担当幹部社員の聴取・報告を年88回実施しました。内外拠点の往査については、新型コロナウイルス感染拡大による行動制限が緩和される中、国内拠点は実地往査を再開しました。海外拠点は、上期はテレビ会議システムを利用したリモート監査としましたが、下期からタイ、インド等一部拠点で実地往査を再開しました。また、年18箇所(国内8箇所、海外10箇所)の往査を実施しました。

社外取締役とは、四半期毎に意見交換会を実施し、監査活動を通じて認識された課題について共有を図っています。これらの常勤監査役の活動は監査役会で報告され、監査役と適切に共有しています。

なお、内部監査の状況について、監査部から取締役会に年1回定期的に報告することとしております。

当社グループのコーポレートガバナンス体制

当社グループのコーポレートガバナンス体制

取締役会の役割

取締役会では、富士通ゼネラルグループの経営に関する重要事項および法令・定款に定められた重要な業務執行に関する事項を決定しており、取締役会規程において、取締役会決議を要すべき事項を明確に定めています。取締役会決議を要しない事項については、社内規程(経営会議規程、執行会議規程、稟議規程等)において、重要性の基準を設け、業務執行を担当する取締役または経営執行役等に委任すべき事項を明確に定めています。

当社の取締役会は、当社の事業運営に必要な知識・経験・能力を有した人物を、ジェンダーや国際性等の多様性も踏まえた上で、社内外からバランスよく選任することを基本的な考え方としており、現状の構成(取締役総数11名、うち社外取締役は女性1名を含む5名)を適正と考えています。

経営陣幹部の選解任と取締役・監査役候補の指名

社内取締役および経営執行役については、富士通ゼネラルグループの企業理念を理解・体現し、人格・見識に優れ、業務上の専門知識と全社的な視点に立って任務を遂行する資質を兼ね備えた人物を候補者としています。

経営陣幹部については、取締役としての資質に加え、会社を牽引するリーダーシップや決断力等を総合的に勘案して選任しています。

社外取締役については、社外の独立した立場から経営の監督機能を果たすとともに、各々の豊富な経験と高い見識に基づき、当社の企業活動に助言を行っていただける人物を候補者としています。

監査役については、人格・見識に優れ、会社経営や当社の業務に精通した人物、または会計等の分野で高い専門性と豊富な経験を有する人物を候補者としています。

なお、取締役・経営執行役候補者の指名および経営陣幹部の選解任については、委員の過半数を独立社外取締役で構成する指名委員会で審議の上、取締役会に答申を行い、取締役会で審議・決定します。監査役候補者の指名については、独立社外取締役から事前に助言を得た後、監査役会の同意を得た上、取締役会で審議・決定します。また、重大な不正や法令・定款違反があった場合、会社業績等の評価を踏まえその機能を十分発揮していないと認められる場合、その他職務を適切に遂行することが困難と認められる事由が発生した場合に、指名委員会において経営陣の解任について審議を行うこととしています。

2022年度における取締役・監査役の取締役会・監査役会および指名・報酬委員会への出席状況

取締役

氏名 属性 取締役会 指名委員会 報酬委員会 監査委員会
斎藤 悦郎 ◎100%(15/15) 100%(3/3)
庭山 弘 100%(15/15) 100%(2/2)
酒巻 久 【社外】【独立】 93%(14/15) 67%(2/3) 100%(2/2)
寺坂 史明 【社外】【独立】 100%(15/15) ◎100%(3/3) ◎100%(2/2)
桑山 三恵子 【社外】【独立】 100%(15/15) 100%(3/3) 100%(2/2)
前原 修身 【社外】【独立】 100%(15/15) 100%(3/3) 100%(2/2)
山口 裕久 【社外】 93%(14/15)
小湏田 恒直 100%(15/15)
長谷川 忠 100%(15/15)
横山 弘之 100%(15/15)
杉山 正樹 100%(15/15)
スクロール
◎印は議長 / 委員長

監査役

氏名 属性 取締役会 指名委員会 報酬委員会 監査役会
井上 彰 【社外】【独立】 100%(15/15) ◎100%(13/13)
宮嶋 嘉信 100%(15/15) 100%(13/13)
広瀬 陽一 【社外】 93%(14/15) 100%(13/13)
スクロール
◎印は議長 / 委員長

社外役員の選任の理由

氏名 選任の理由
酒巻 久
【独立】
酒巻久氏は、キヤノン電子株式会社の代表取締役会長であり、企業経営に加え、電子機器に関する技術・生産・購買などの専門知識や豊富な経験および知見を有しています。これらの経験および知見に基づき、社外の立場から適切な助言・意見を述べるとともに、任意の指名委員会および報酬委員会の委員としての役割も含め、経営の監督機能を適切に果たしていただいていることから、社外取締役に就任いただいています。
寺坂 史明
【独立】
寺坂史明氏は、サッポロビール株式会社で代表取締役社長を務めた経験があり、企業経営に加え、営業、マーケティング、人材育成の豊富な経験および知見を有しています。これらの経験および知見に基づき、社外の立場から適切な助言・意見を述べるとともに、任意の指名委員会および報酬委員会の委員長としての役割も含め、経営の監督機能を適切に果たしていただいていることから、社外取締役に就任いただいています。
桑山 三恵子
【独立】
桑山三恵子氏は、株式会社資生堂でCSR部部長をはじめとした豊富な業務経験に加え、大学でCSR、経営倫理、ダイバーシティ経営などを専門分野とする研究者としての知見を有しています。これらの経験および知見に基づき、社外の立場から適切な助言・意見を述べるとともに、任意の指名委員会および報酬委員会の委員としての役割も含め、経営の監督機能を適切に果たしていただいていることから、社外取締役に就任いただいています。
前原 修身
【独立】
前原修身氏は、日立工機株式会社(現工機ホールディングス株式会社)で代表取締役 取締役社長を務めた経験があり、企業経営に加え、M&Aを通じた事業拡大や販売子会社社長としての海外駐在などの豊富な経験および知見を有しています。これらの経験および知見に基づき、社外の立場から適切な助言・意見を述べるとともに、任意の指名委員会および報酬委員会の委員としての役割も含め、経営の監督機能を適切に果たしていただいていることから、社外取締役に就任いただいています。
窪田 隆一
【新任】
窪田隆一氏は、富士通株式会社の執行役員EVPであり、ICTを活用した事業の豊富な経験に加え、最先端のデジタル・テクノロジーやリスクマネジメントに関する知見を有しています。これらの経験および知見に基づき、社外の立場から適切な助言・意見が期待されるとともに、経営の監督機能を適切に果たしていただけると判断し、社外取締役に就任いただいています。
井上 彰
【独立】
井上彰氏は、金融機関における長年の業務経験に基づく財務および会計に関する相当程度の知見を有し、監査・監督が適切有効になされると考えられるため、社外監査役に就任いただいています。
広瀬 陽一 広瀬陽一氏は、富士通株式会社の執行役員および財務経理本部長を経て、現在は同社常勤監査役を務めるなど、他の会社における役員としての豊富な経験と財務および会計に関する相当程度の知見を有し、監査・監督が適切有効になされると考えられるため、社外監査役に就任いただいています。
スクロール

監査役会の役割

監査役会は、監査役3名(うち2名が社外監査役)で構成されています。

常勤監査役は、常勤者としての特性を踏まえ、社内の情報収集に積極的に努め、かつ、内部統制システムの構築・運用の状況を日常的に監視し検証しています。

社外監査役は、監査体制の独立性および中立性を一層高めるために法令上その選任が義務付けられていることを自覚し、積極的に監査に必要な情報の入手に心掛け、得られた情報を他の監査役と共有することに努めています。

監査役は、取締役会に出席し、必要に応じて意見表明を行っています。また、監査計画に基づき、執行会議等の重要な会議への出席、重要書類の閲覧、取締役・経営執行役・各部門管理職の聴取、内外拠点の往査を実施し、課題等について、随時、提言を実施しています。

また、四半期毎に、社長との面談、社外取締役との意見交換会を実施しています。監査役会は、これらの各監査役の活動を踏まえ、監査報告書を作成しています。

また、常勤監査役の選定及び解職・監査の方針、業務および財産の状況の調査の方法その他監査役の職務に関する事項の決定などを主な職務としています。

会計監査人の選任

監査役会は、株主総会に提出する、会計監査人の選任及び解任並びに再任をしないことに関する議案を決定します。

それにあたり、監査役は、年8回、会計監査人から監査状況の聴取や意見交換を実施し、また執行部門からも情報を得て、会計監査人の監査体制、専門能力、独立性、品質管理体制、監査費用の合理性について、法令および監査役会が定めた基準に照らして、評価を行い、決定を行っています。

役員報酬

(1)役員の報酬等の額またはその算定方法の決定に関する方針に係る事項

当社は、2022年4月27日開催の取締役会において、報酬委員会で決議された当社報酬制度の内容に従い、取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針の改定につき決議しています。

基本方針

当社は、当社グループの健全かつ持続的な成長に向け経営を担う優秀な人材を確保するとともに、業績や株主価値との連動性をさらに高め、透明性の高い報酬制度とすることを基本としています。その報酬は、職責および役職に応じて月額で定額を支給する「基本報酬」、短期業績に連動する報酬としての「賞与」、および企業価値の持続的な向上とサステナブル経営の実践・推進へのインセンティブを与える非金銭報酬である「譲渡制限付株式報酬」により構成します。なお、監督機能を担う社外取締役については、その職務に鑑み、「基本報酬」のみを支給することとしています。

取締役の個人別の報酬等の内容にかかる決定方針の内容は次のとおりです。

a. 基本報酬(金銭報酬)の個人別の報酬等の額の決定に関する方針 (報酬等を与える時期または条件の決定に関する方針を含む。)

当社の取締役の基本報酬は月例の固定報酬とし、その支給額はそれぞれ役員の職責や役職に応じて月額の定額を決定するものとします。

取締役の固定報酬(基本報酬)の額は、2017年6月20日開催の第98期定時株主総会において、年額6億円以内(うち社外取締役分5000万円以内)と決議している。当該株主総会終結時点の取締役の員数は13名(うち社外取締役4名)です。

b. 業績連動報酬等の額の決定に関する方針 (報酬等を与える時期または条件の決定に関する方針を含む。)

業績連動報酬等は、業務執行を担う取締役を支給対象とする現金報酬とし、1事業年度の業績を反映した賞与を毎年一定の時期に支給するものとします。賞与の具体的な算出方法は、当社グループの中期経営計画に掲げ、透明性・客観性のある連結営業利益を指標とし、当期の業績達成度合いに応じて支給額を決定します。また、支給総額は定時株主総会に提案し、承認を得るものとします。

当事業年度に係る連結営業利益の目標数値は17,000百万円、実績は15,098百万円となり、2023年6月28日開催の第104期定時株主総会において、業務執行取締役6名を対象に69百万円の賞与を支給することを決議しています。

c. 非金銭報酬等の内容および数の算定方法の決定に関する方針 (報酬等を与える時期または条件の決定に関する方針を含む。)

非金銭報酬等は、当社の取締役(社外取締役を除く。)に当社の企業価値の持続的な向上とサステナブル経営の実践・推進を図るインセンティブを与えるとともに、株主の皆様との一層の価値共有を図ることを目的とした譲渡制限付株式とします。本制度は、当社の取締役(社外取締役を除く。)について一定期間の継続した勤務を譲渡制限解除の条件とする「勤務継続型譲渡制限付株式報酬」、およびサステナブル経営の評価指標達成を譲渡制限解除の条件とする「サステナブル経営指標要件型譲渡制限付株式報酬」により構成します。その株式数は株主総会で決議された枠内で、毎年一定の時期に支給するものとします。

非金銭報酬である譲渡制限付株式の付与のために支給する金銭報酬債権の総額および当社が発行または処分する当社普通株式の総数は、2022年6月16日開催の第103期定時株主総会において、「勤務継続型譲渡制限付株式報酬」と「サステナブル経営指標要件型譲渡制限付株式報酬」を合わせ、年額1億円以内および年70,000株以内(社外取締役を除く。)と決議しています。当該株主総会終結時点の取締役(社外取締役を除く。)の員数は6名です。

d. 金銭報酬の額、業績連動報酬等の額または非金銭報酬等の額の取締役の個人別の報酬等の額に対する割合の決定に関する方針

業務執行を担う取締役の種類別の報酬割合については、報酬委員会において検討を行います。取締役会は報酬委員会の答申内容に基づき、取締役の個人別の報酬等の内容を決定することとします。なお、報酬等の種類ごとの比率は、基本報酬が概ね60~75%、賞与および譲渡制限付株式報酬が概ね25~40%を目安とします。

e. 取締役の個人別の報酬等の内容についての決定の方法

個人別の報酬等については、委員の過半数を独立社外取締役で構成する報酬委員会で審議のうえ取締役会に答申を行い、取締役会で審議・決定するものとします。なお、報酬委員会において、外部機関の客観的データを活用し、報酬水準の妥当性等の検証を行うこととします。

f. 監査役の個人別の報酬等の額の決定に関する方針 (報酬等を与える時期または条件の決定に関する方針を含む。)

月例の固定報酬である「基本報酬」のみを支給することとします。また、報酬額については、2017年6月20日開催の第98期定時株主総会で定められた「年額1億円以内」の限度において、監査役の協議により決定することとします。なお、当該株主総会終結時点の監査役の員数は3名です。

g.その他

当社は「役員自社株保有ガイドライン」を定め、役位別に定められた一定数以上の当社株式(譲渡制限付株式報酬を含む。)を当該役員が保有するよう、努めます。

当事業年度の取締役の個人別の報酬等の内容の決定にあたっては、委員の過半数を独立社外取締役で構成する報酬委員会において、外部機関の客観的データを活用した報酬水準の妥当性等の検証や、決定方針との整合性を含めた多角的な検討を行っているため、取締役会も基本的にその答申を尊重し決定方針に沿うものであると判断しています。

(2)役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数

役員区分 報酬等の総額
(百万円)
内固定報酬
(基本報酬)
内業績連動報酬
(賞与)
内非金銭報酬等
(譲渡制限付株式報酬)
対象となる役員の員数
(人)
取締役
(社外取締役を除く)
343 237 69 36 6
監査役
(社外監査役を除く)
28 28 - - 1
社外役員 54 54 - - 7
スクロール

取締役会全体の実効性についての分析・評価結果の概要

当社は、コーポレートガバナンスの実効性向上を図るため、取締役会実効性評価を年に1度定期的に実施しています。評価の内容は原則毎年5月に取締役会で報告するとともに、実効性向上に向けた議論を行っています。

2022年度の取締役会の実効性の評価については、昨年と同様、全取締役が質問票に回答する方法により実施いたしました。

その結果、取締役会の運営面等について概ね適切との評価が得られ、当社の取締役会の実効性は確保されていることを確認いたしました。

なお、取締役会で議論すべき事項や議論のさらなる活発化、指名委員会・報酬委員会の活動、トレーニング機会の提供・充実などについてさらに改善すべき点があり、継続的に検討を行うべきとの課題認識を共有しており、これらの点への対応も含め、取締役会の実効性のさらなる向上を図ってまいります。