

富士通ゼネラルの空調機事業は、全社売上高の約8割を占める主力事業です。家庭用からビル用まで含めた様々なエアコン、温水ルームヒーター、脱臭機など、お客様の生活に密着した製品を作っています。富士通ゼネラルという会社は、日本では他の大手電機メーカーさんと比べると認知度はちょっと低いかも知れませんが、海外に目を向けてみると、欧州や中近東をはじめ、トップクラスのシェアを誇っている国もたくさんあるのですよ。海外では、古くから展開してきた家庭用ルームエアコンの他に、レストラン、ホテル、オフィスビル、ショッピングセンターなどに設置される大型業務用エアコンの分野にも近年とても力を入れており、家庭用ルームエアコンの分野と大型業務用エアコンの分野とのシナジーでエアコンビジネス全体の拡大を目指しています。一方、国内の家庭用ルームエアコンでもシェアを年々拡大しており、日本のマーケットにおける当社製品の存在感は確実に高まりつつあります。
当社が海外・国内でシェアを伸ばしてきた最大の理由は、徹底した独自性、差別化の追究にあります。その根本には「他社がマネできない独自の技術で勝負していこう」というスピリットがあり、常に独自製品の開発に力を入れています。

上海工場

タイ工場
ではどんな独自性があるのか。まず単なる改良改善ではなく、「本質的な部分での性能を良くする」というのが、開発に当たっての基本姿勢です。色々な機能をつけることが目的ではなく、省エネ性を徹底的に追究し、地球環境にも、お財布にもやさしいエアコンをつくる。常に最高の性能を発揮できるようにするためにフィルターの汚れも自動的に取れるようにし、形状やデザインも最適なものを追求して独自性を出してきました。もちろん、これを実現するための要素技術も重要です。効率よく風を出すための新型モーターも、熱を逃がさず外部の空気を換気するという画期的な換気方式も独自に開発しました。社風として「他社と同じモノは開発したくない」という気持ちが強いのですね。
製品開発の拠点はあくまで日本ですが、工場や技術拠点などは、海外(中国・タイ)にあり、すべてのエアコンは海外で生産されています。また、「現場の分かる技術者」を育てるため定期的に海外へ行ってもらうローテーションもありますし、その他世界中に営業拠点があるので、出張はもちろん、海外で働くチャンスも十分あります。
なお、当社には若くても技術の第一線で活躍できる環境があります。世界で初めて「フィルター自動清掃機構」を搭載した「nocria®」シリーズの開発チームには、入社1年目の社員もいましたし、世界初アキシャル型モータの開発も若手社員が中心となって成功しました。若い技術者が互いに技術を高め合いながら、新しいモノを創り出す。とても活気があり、やりがいを持って仕事をしていると思いますよ。
もちろん、人がやったことのない新しいことにチャレンジしていかなければならないので、自ら道を創り出す難しさはあります。しかし、いま日本のモノづくりの企業は、技術で世界の国々と勝負して行かねばならない時代です。自ら道を切り開く気概を持って、ぜひ世界で戦うメーカーの根幹を担う社員になっていただきたいと思います。


ビル用マルチエアコン
(イメージ)
当社の大型業務用エアコンの事業は、2001年ビル用マルチエアコン(※1)の分野に参入したことを機に本格的に拡大し始めました。元々、家庭用ルームエアコンの分野では、特に欧州、中近東などの地域で強みがあり、”Super Power, Super Quiet”なエアコンとしてとても高い評判をいただいています。現在は家庭用ルームエアコンで培った開発ノウハウを活かし、海外に向けて大型の業務用エアコンの分野の開発・製造・販売に会社をあげて注力しています。
大型の業務用エアコンは、ビルや大型施設に設置される空調機器なので、製品の開発だけでなく、建物の規模や構造等に応じたソリューションを提供しなくてはなりません。例えばエアコンの使い方も、人に対して向けられるだけではなく、パソコンルームや携帯電話の基地局のように、電子機器を冷やすために活用されることもあり、お客様のニーズは様々です。空調機器の故障がとんでもない被害を生んでしまうこともあり得るため、様々な環境・用途で使用される大型業務用エアコンには、外気温に関わらず一定の温度・湿度を保てる性能、製品の品質、安定性、メンテナンスのすべてが、シビアに求められます。これらの数多くの条件をクリアした上で、さらに省エネ性を高め、世界で戦えるだけの製品づくりを行うためには、すべてにおいて最高の技術が求められます。
- ※1:
- 「ビル用マルチエアコン」とは、1台の室外機に複数の室内機を設置することができる大型業務用エアコンです。それぞれの部屋で個別運転が可能で、きめ細かい温度設定ができるのが特長です。主にオフィスビル、ホテルなどに設置されます。

ラムダ型熱交換器
私は、入社してからは長く家庭用エアコンの事業部に所属しておりました。配属されてから何年かは、エアコンの基本を学びながら、構成する部品の設計を経験し、その後窓枠と天井の間が狭い住宅や事務所などにもエアコンが設置できるよう「エアコンの高さ」を小さくする開発プロジェクトに加わりました。その中で一番困難だったのは、熱交換器(※2)の設計でした。ただ単純に熱交換器を小さくしてしまっては、熱効率が低下してしまいます。そこで、思いきって発想を変えて「熱交換器を曲げる」ということにチャレンジすることにしました。これまでどこもやったことのない技術なので、毎日が試行錯誤の繰り返しで、問題を地道に一つ一つクリアしなければならないのです。そういった努力を積み重ねた結果、業界初「ラムダ型熱交換器」の開発に成功し、コンパクトかつ熱効率アップを実現しました。この技術も今ではエアコン業界のスタンダードになっています。開発当時は、世の中にないモノを創り出すことの難しさを実感しつつも、新しいことへチャレンジできる喜びとやりがいで無我夢中でした。そしてそれが成功した時の達成感は、今でも鮮明に覚えています。
世界初・業界初の製品、機能、構造というものは、ある日突然実現する訳ではないので、アイデアや発想を生み出すための基礎的な知識の習得と、それを実現するための検証や実験といった地道な行動の積み重ねがとても重要なのです。若い皆さんには、是非そうした地道な努力を忘れないでいただきたいですね。
- ※2:
- 熱交換器は、エアコンの内部の熱を移動させ、コントロールするためのコアとなる部品の一つです。エアコンの省エネ性、快適性を高めるためにとても重要な役割を果たします。

空調技術棟
2007年10月、空調技術棟が川崎本社内に完成しました。この技術棟は、ビル用マルチエアコン用カロリーメーター、各種恒温恒湿装置、連続試験装置、騒音試験装置、注水・台風試験装置等、ありとあらゆる環境を想定した試験設備を備えており、世界トップクラスの空調試験設備です。様々な使用環境に合わせた実験ができ、より確実な評価と品質にこだわった商品化が可能になりました。さらに、このビルに備えられている空調機器もすべて実験の一環として設置されており、まさにビル全体が開発・試験設備になっています。このように開発・試験設備が整った環境で、さらなる技術力の向上を目指して行きたいですね。
執務室のフロアには当社のすべてのエアコン技術者が揃っているので、気軽に情報交換や質問ができる環境になっています。フロア内には小さな打ち合わせスペースも多く、必要に応じて頻繁に打ち合わせしている様子をよく見ます。部署や担当の壁など感じることはありませんね。実際に、私も打ち合わせしたいことがあれば、直接話を聞きに行きます。電話やメールよりも、直接顔を合わせて実際のモノを見せながら具体的に説明した方が、聞く方も分かりやすいですよね。そんな雰囲気やチームワークが新しい発想を生み、世の中に新しいモノを生み出す原動力になるのだと思います。
世の中にまだない新しいモノを作り出したいという夢を持っている方、当社のこのような整った開発環境で、是非私たちと一緒に世界が驚くエアコン作りを目指していただきたいと思います。





